コンサート2005

今回、実は相当行く気がなかった。
このツアーは、いっそ流そうかと思っていたくらい。
その上直前まで、出かけるのさえ面倒くさくてしかたなかった。
 
コンサートはただもう、みゆきさんと共に在る空間を楽しめばいいと思う。
だから、何か書くことさえいらない気がするけれど。
前の回から3年半たっているんですって。
ああ、あのとき一緒に行った彼は今どうしているかしら?
・・・すいません見栄はりました。ひとりで行きました。
これは私の鉄則です。
中島みゆきは一人で行け。
確かに見たいなんて人は、周囲に見つけられないのですが
それ以上に、中島みゆきを見ている自分を見られたくないからだ。
だって正気じゃないですもの、絶対。

コンサートには、パスポートをお忘れなく。
もちろん姫の国のもの。
涙をおさえるハンカチもお忘れなく。
しょっぱなからなんか泣いている女は、私です。
そして会場について必ずすること。
ファンの観察。やめられません。
今回の会場辺り、イタい思い出があるんですが。というか
この都市自体にうらみ・あり(超個人的)なのですが
いえ、このあたり、泣きながら走ったことなんかないですよ。
でもいいんです。みゆきさんがいるなら、どこだって。
 
私は音楽にとても感じやすく、ちょっと耳にしてもフルで覚えてしまい
一日気分が影響されるくらいですが、みゆきさんの曲はまさにそう。
この所は何ヶ月も、中島みゆきを聞いていなかった。
そこへ、生のコレ。
すきっ腹に、テキーラびんごと飲み干しちゃったみたいな酔いっぷり。
あるいは、胃弱なのに揚げ物オンパレードみたいなこってり度。
中島みゆきって、強烈だ。
中盤ですでにもう、その濃度に私はくらくらしてきてしまった。
そこへ「ALONE, PLEASE」「相席」「SINGLES BAR」 の3曲。
曲順も知らずに行ったこともあってか、聞かされるままに
深く入り込んでしまい、どんどんしんみりしてきて
しょせんあたしはひ・と・り、そんな気持ちが身に沁みて沁みて、
もはやコンサート会場とは思えないくらいに、鬱もいいところに
なってしまいました。
次が何の曲かもわからないので、気分はやみ汁会(みゆきさん風)
あるいはここは北国地の果てツアー、ナビは中島みゆき。もうそんな感じ。
人生って何?むなしいわ。そんな思いで頭がいっぱいになり、
もうあたし完全に大丈夫じゃないという状態。
聞いてるお客さんは、みんな平気なんだろうか。
そんなに好きじゃない人は辛いのでは・・・と思ったりしたけれど
事実、興味がないと何も感じなかったりするのかもしれませんね。
 
その後のナイトキャップやメドレーがなかったらどうなっていたことか。
逆に言うと、それ聞いて手拍子してるだけで、今度はあほみたいに
ハイになってしまいました。
この、お酒調子で上げるというのは、夜会を思わせる流れですね。
あれは「窓ガラス」→「うそつきがすきよ」
「やっぱお酒よね」というときのみゆきさん、何年たっても魅力的。
さわやかな朝から中島みゆきが聞けるくらい、ふだんから
テンションは地を這っている私ですが、実生活で落ちた時の上げ方が
改めてわかりました。落として、落として、上げる。
しかもこの3曲セットはすごく効く。初期のダークネスな曲ではなくて。
発見。
後半とくに「夜を往け」や「ローリング」で炸裂する、ドスのきいた
力強い歌声を聞いていたら、飲んでもないのに、出来上がってる
もうどうにでもしてという気持ちよさ。腰抜けそうでした。
私って、単純。

そして最も驚いたのは、人が、人がぁ、立っている!点。
話に聞いてはいたものの、中島みゆきのコンサートで
人がのって踊ってるのを初めて見ました。
近年のコンサートしか見たことがないのですが
それもありなんだと、妙に感激してしまいました。
ここの会場では見たところ三分の二弱。
総立ちしてほしかったけれども、やっぱり今の客層からいって
立て!踊れ!というのは無理なのでしょう。
若いアーティストのライブに行ったらフリまであって、しかも二時間
立ちどおし激しく踊りっぱなし。もう座らせて!と息切れしていた私でも
これくらいなら、あれです、NHK「みんなの体操」座ったままでもどうぞ。
みたいな楽勝ぶり。・・・当たり前。
本当に楽しかった。
みゆきさんもノリノリでしたが、あまりにすそがなびくので
ぱんつ見えそうでどきどきしてしまいました。

次のツアーがあるならば、もう3年はあとでしょうか。
前回のコンサートのときから省みるに、何があるかなんてわからない。
本当にそうですね。
でもまた(コンサートの)みゆきさんに元気で会いたい。
だから、それまで死ねないネ。
いやいやそれまでがんばろうと
みゆきさんはそこまで思わせてくれる大切な人なのです。

東京公演。
ツアーのラストとあって盛り上がりました。関係者も多いような雰囲気。

みゆきさんのコンサート期間の合間にも、いくつかのライブ、オペラを
見たのですが、このごろはそこらの歌手、国際派と言われる
なんたらの人を目の当たりにしても、心が動かない。
私は日常的には、くだらないことにも泣いて笑って、そんな感じなのですが
「感動的な場」では、かえって空々しくて、冷めてしまう。
うったえるものがないんだよなと冷静に感じてしまいます。
むしろ私が感動しちゃうのは、熱烈ファンがいる人ならばその統率、熱狂ぶりなど
観客の様子だったりもします。人を動かす扇動力ってこういうことなのかと。

誰かと話すと中島みゆきのそれは熟練、それに伴う深みではないかと言われますが
それだけではないと思う。
残念ながら、私はみゆきさんが年若いときの様子はまったく知らない。
けれどもそんな力は、年を経て得たというだけではないと思う。
生のみゆきさんの魅力は、何なんでしょうね。声をきくと、鳥肌がたちます。

幕が降りたあとは、いつも高揚と少しの寂しさと。
でも、ステージに立つ側の方がそうなんだろうか。
ほら、裏切られるより裏切る方がつらいって言いますし・・・(なんか違う)
終演後にいつも思い出すのは、夜会vol5メイキングの、セットを壊す様子を
見ているみゆきさんの横顔。きりっとしていてでも、慈愛に満ちていて。

ところで、この人ごじゅう…
しなやかに見えて、相当鍛えていらっしゃるのでしょうね。
とりあえず腹筋しときます。

〜曲順〜
01 最後の女神 02 清流 03 流星 04 わかれうた 05 この世に二人だけ
06 銀の龍の背に乗って 07 あの人に似ている 08 ALONE, PLEASE (Instrumental)
09 相席 10 SINGLES BAR 11 ナイトキャップ・スペシャル 12 夜を往け
13 ローリング 14 地上の星 15 歌姫
アンコール
16 はじめまして 17 悪女 18 浅い眠り 19 空と君のあいだに (メドレー)
20 パラダイス・カフェ 21 土用波