生と死と


「生きていてもいいですか」
これは直球だ。
28才。このお年でコレ?
十年以上前、子供ながらにそんなことを思ったものだった。
怖いものみたさ。ホラーかと思ってました。
でも、地獄の底からでも這い出てきそうなエネルギー。
あんた十分元気すぎるよ。というか死んでも生き返るね、きっと。
これは、逆説の歌なのか。

人を殺して、傷つけてなんとも思わない人というのが、世の中には実在する。
そんな人にとっては、罪も量刑も、もはや殺人を止める手立てではありえない。
そしてその行為は、たいていが金銭など人命と比べればほんとうに些細な
いやある種の人にとっては、最もまっとうな目的のために行われる。
服役とて、どうということもない。減刑のためには、アカデミー賞並みの
演技までみせ、刑期を終えて一般社会に戻っていく。そして罪をくり返す。

人間は、意外と死なないものだが
その一方で、あっけなく死んでしまうものだ。

なにか深刻な事態に、実際直面した場合、
みゆきさんの歌も何も、一見役に立たないものだ。
むしろメディアの報道を見てさえ、しょせんこの人も成功してるし
稼いでるからいいよな、なんていう冷めた気持ちにしかならない。

もう気力がないというとき、歌から立ち昇る生気は、うっとおしいほどだ。
弱っている人に、どんなに励ましや優しさを差し伸べても
本当に前を向く力が皆無ならば、それは届かないような気がする。
そんな状態を経て、泣けたり、拠り所が欲しくなったりするのは
少なくとも、前には進めなくとも立ち上がろうとしているからだと思う。
そんなときのみゆきさんの助力は、すごいものだ。
あくまでも乗法で、限りなく力を増幅させてくれる。

とはいえ私は、生を必ずしも肯定できない。
もしも、もしもどうしても限界だという人がいたら
死ぬ権利もあると思うのです。自己責任です。
その人が、どんな思いをしてそう思うに至ったかは決して計り知れない。
これからどんな思いをするかも知れない
それを見越してもっとがんばれとは言えません。

でも、私はとりあえずでも生きていようと思うのです。
だめでもいいから。
必ずしも自分の命が受け継がれなくてもいい。
生きている自分が、生きている誰かに影響する。
それが、命のリレーだと思うのです。