ことばとこころ


突然ですが、我が家の家訓(わけわかんない編)
・花の名前は子供につけない(花子、百合とか)
・ふとんと洗濯物はいっしょに干さない(ていうか生活の知恵ですよ)

加えて私が母に言われ続けたことがある。
それは、だいたいこの三つ。

1 返事は、「返す事」 と書くのだから、はっきりと。
このせりふ、もう5万回くらい聞いた。


2 自分がしたことは返ってくるので、目先に惑わされない。
   (もっとおおらかに人に接して譲りなさい)

実際、すぐイライラしがちな私に、もっとも足りないのが鷹揚さ。
ていうかそのわりにおかーさん、バーゲン会場とか混んでる場所で
思いっきりせきたてるし、人ガンガン押しのけてますよね。

3 人の心はわからない。

これはたぶん、こんな意味なのだろう。
人間は、自分の心さえも把握できない。
だから、相手の気持ちがわかるなんて、ありえない。
人にわかってほしいと思わないこと。
人をわかっていると思わないこと。

母が、「自分の心も不確かなものよ」と言うたびに
子供の私は、そんなのおかしいと思っていたけれど
それでも、「自分をわかってほしい」と安易に願うのは
甘えだと感じていた。
だけど、やっと大人になってからだ。
心なんて、制御できないものだと理解したのは。
だって、君の心がわかる、はずなんてなくても
わかってくれると思いたくて、そう言ってほしくて
わからないことがわかっていても、ついて行ってしまう気持ちが
今は、痛いほどわかるから。
でも、きっともっと前、そのことを学んでいた。
「最後の女神」という曲で。

心は変わるという事実。
誰もが変わるという真実。
そのあとに続くひとことに、虚を突かれる思いがする。
それは、なんてみゆきさんらしい。そして優しい。
変わることを、恐れなくていいんだ。
ちなみに変化を拒むことは、老化の一番の原因なのだそう。
確かに、一点に固執することは、生を拒むことなのかもしれない。

誰かと接した記憶のうち、もっとも覚えているのは、人に言われたことだ。
私には、絶対音感があるのですが、
発せられた音程を伴って、言葉が、すごく耳に残る。
「無限・軌道」を聞いてると、間奏の夜会と同じ箇所で、
魚武さんのせりふ「〜きっと勝てますよ」が、あのイントネーションで、
必ず聞こえてくる(空耳?)のでいやです。それだけです。

だから、言われたことは、一生忘れないかも。
しつこ…。
なんていってるわりに、人にはひどいこと言ってるかも。
そのわりに言われたことだって、都合のいいことしか覚えていないかも。

昔誰かに話したからって、その通りにされても
困っちゃうけれど、むしろ怖いけど、何気なく言ったことを、
覚えていて、それを形にしてもらえるのは、非常にうれしいもの。
特に男性だと、ついつい女心をくすぐられてしまう。

お休みの日に久しぶりに会った人に、スーツ姿も見たかったなと
何気なく言ったら、次の機会に、着て来てくれたことがあった。
まだ残暑の厳しい季節。
素敵なアルマーニだった。
実は自分で言ったこと、すっきり忘れてたんですよね私。
すぐさま気づいて喜ぶのが、可愛い女ってもんです。
いや、それ以前に人間として最っ低…。己を恥じた。
母上様、私は人の心の機微も分からない、ボンクラ娘に
育ってしまいました。ごめんなさい。

でも、そのときの会話は、しっかり編纂して覚えています。
ほかにも、知人友人愛人家人から言われてうれしかったことや
感激したことばは、すぐにでも挙げられる。
けれど、何年も心に残っているのが、デパートでのバイト時に
パートのおばさんに、ある日ぽつっと言われたことだったりするのだから
おかしなものだ。

私がふだん言われて、一番うれしい言葉は
「会えなくてさみしかった」
「ずっと会いたかった」

・・・・・女友達に。
そうねえ、今の“私の可愛い人”とはかれこれ数年になるかしら。
確かに、感覚変ですから。
同性相手の方が、俄然なにかしてあげたくなっちゃうんですよね。
まあ、私は自分の母親だって、バリバリに女として見ています。
これ、母が息子を、とか兄が妹を、なんて言うと、フラ○ス書院か何か
みたいで、また趣があるのですが。
私は母を、思いっきり意識してしまう。みゆきさんの年代の女性として。
人により違いはあれど、年代による意識や外見の変化は避けられない。
やはり、自分が女として50を過ぎての、思うところは
今は、想像でしかない。

そんなわけで、今日も女友達にはラブラブなメールを送り
さかりのついたバカップルみたいな、姫と王子風会話を繰り広げ
友達好みのお店を見つけるために、はりきってしまう。
旅行行ったりするのがもう、楽しみで楽しみで。
夜はもちろんいっしょに寝るでしょ、ていうかもう離さない。
私たち、相思相愛だから。(頭おかしいです)
当然彼女の彼氏とは、喧嘩上等。

最新のうれしい言葉はこれ。
尊敬している方から
「あなたのいいところは、研究熱心なところ」。

ほめられちゃったの?
結局人は、ほめてもらえるのが、認めてもらえるのが
単純に、うれしいのかな。
大人になってそんなの、小さいとき以来ですから。
誰もほめてくれなかったら。そんなときは
一人、「瞬きもせず」